スポンサーリンク

那覇港浦添埠頭地区の民港形状案に関する県民アンケート結果とそれをみた感想、今後の開発への期待

キャンプキンザーの空撮画像 地方創生

今年の6月に実施された那覇港浦添埠頭地区の民港形状案に関する県民アンケート結果が公表されました。今回は、このアンケート結果とそれをみた感想、今後の開発への期待についてまとめてみました。

スポンサーリンク

アンケート結果について

まずはアンケートの結果についてです。といっても、設問の1〜6(下記参照)はアンケートの目的(浦添ふ頭地区における民港の形状案について、県民の意見を聴取し、今後予定する長期構想や港湾計画改訂に向けた参考とする)と全く関係ない意味不明な内容が続いているので無視します。

(アンケートの設問)
問1 あなたの居住地を教えてください。
問2 あなたの年齢を教えてください。
問3 あなたの性別を教えてください。
問4 沖縄の歴史と港は密接に関係し、時代の要請に対応して港のあり方・規模も変化してきました。このことを ご存じでしたか。
問5 物流・貿易の拠点として那覇港の機能を強化することの重要性について、認識を深めることができましたか。
問6 交流・賑わいの拠点として那覇港の機能を強化することの重要性について、認識を深めることができましたか。
問7 浦添ふ頭地区の民港の形状案について、ご意見がありましたらお聞かせください。

そして、問7の民港の形状案についての意見をまとめたものが下記になります。

地域振興を期待する意見

・キンザー跡地前面を交流・賑わい空間にする等の観光・景観への配慮や、自然環境への配慮された形状である点を 評価するもの
・現状の港湾混雑の解消に向けて期待するもの 沖縄県、地元・浦添市のコロナ収束後の物流・観光への対応や将来の発展を支えるために重要とするもの 県民の憩いの場になることを期待するもの
・アジアの中継拠点港としての発展に期待するもの

開発内容に関 する意見

・物流空間のみ整備して交流・賑わい空間は自然海岸とすべき、物流空間の部分もクルーズ船ふ頭にして全て交流・賑わい空間にすべきとするもの
・マリンレジャーやバーベキュー、スポーツ施設、公園等、交流・賑わい空間に係る施設構成に関するもの (個別施設について必要/不必要の両方)
・モノレールの延伸や駐車場の確保等、交通アクセスの強化に関するもの
・交流・賑わい空間からの視界にできるだけ物流空間が入らない等の景観への配慮に関するもの
・沿岸の道路の立体化やキンザー跡地からのアクセス道路整備等、キンザー跡地との一体的利用に関するもの

環境保全への配慮、 他港での対応を求める意見

・現在の海岸への愛着や生態系の状況等を踏まえ、埋立全般に反対、現状のままが良いとするもの
・自然環境への影響の懸念や不安等、自然環境保全に関するもの
・新港ふ頭等の拡張や効率的利用、中城湾港等の他港の利用で対応すべき(対応できるのではないか)等、既存施設 での対応を求めるもの
・新港ふ頭等で未開発用地が残っている中で、浦添ふ頭への展開は時期尚早ではないかというもの
・観光偏重の将来戦略は不適切であるとするもの

その他

・「特になし」、「意見なし」、「わからない」
・趣旨不明の回答、民港形状案に関係のない回答 等

スポンサーリンク

アンケート結果をみた感想

まず、「その他」の一番最後の項目が目を引きました。アンケート実施期間中はSNS等でも軍港を埠頭北側に配置することに対して批判的なコメントが多く出ていたように記憶していますが、「民港形状案に関係のない回答」として一蹴されています。私も「民港のアンケートに軍港の話を持ち出すのはいかがなものか」と思っていましたので、納得の結果です。

それ以外の回答についても、概ね建設的かつ納得のいく回答になっているなと思いました。「地域振興を期待する意見」には全く異論ありませんし、「開発内容に関する意見」「環境保全への配慮、他港での開発を求める意見」についても、「物流空間に割くリソースを減らしつつ交流・賑わい空間を重視すること」「新港埠頭や中城港湾の活用を模索すること」などは大いに共感できると思いました。

強いて挙げるとすると、個人的には「交流・賑わい空間の一部として大規模な公園や緑地を整備できるのであれば、埋め立て面積の極小化に拘る必要はない」と考えていましたので、同様の意見がないことについては若干残念な気持ちもあります。

現在、私は福岡市に住んでおり、アイランドシティや百道浜など、埋立地だからこそ実現できた大規模な公園・緑地のありがたみを実感しているので、そのためには潮流を遮らない&北側の自然海岸は残す前提で、ある程度広めに埋立地を取っても良いのではないかという思いがあります。

スポンサーリンク

今後の開発への期待

今回のアンケート結果にも出ている通り、キャンプキンザー返還予定地の目の前に大規模な物流空間を設けるのは避けるべきだと考えています。物流空間は新港埠頭地区(場合によっては中城港湾)での展開も可能と思いますので、浦添埠頭地区については、景観にも配慮する観点からも、全部もしくはその大部分を交流・賑わい空間として整備することに期待したいです。

また、その際は前述の通り、潮流を遮らず北側の自然海岸を残すことを前提として、ある程度広めに埋立地を取るとともに、最低でも福岡市のアイランドシティや百道浜並みの公園・緑地を確保して欲しいものです。浦添埠頭地区との一体開発が予定されているキャンプキンザー跡地でも公園用地の先行取得が進んでいますが、やはり、インパクトのある大規模で魅力的な公園・緑地を設けるには、ある程度埋立地を活用する必要があると感じます。

自然環境を守ることは非常に大事なことだと私も思いますし、物流空間のために埋め立て面積を増やすというのは県民の理解も得づらいと思いますが、「魅力的な景観・環境を備えた広大な公園・緑地ができるのなら考えても良い」という県民も多いのではないでしょうか。また、キャンプキンザー跡地の開発に期待されている方にとっても、隣接する浦添埠頭地区に広大な公園・緑地を含む交流・賑わい空間ができることは大きなメリットになると考えられます。

色々雑多なことを書いてしまいました。あくまで個人的な感想と期待ですので異論も多いかと思いますが、もし賛同いただける方がいらっしゃれば、何かの折に那覇港管理組合や浦添市、或いは知り合いの政治家の方などにこうした考えを共有・働きかけて頂くことで、より良い浦添埠頭の開発につながるのではないかと思いました。

コメント